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OpenAI、判定専用「Decisions API」公開 出力料金0円

Decisions APIは文章生成を行わず条件判定や分類を構造化データとして返す専用エンドポイントであり、gpt-6-luna上で最大10倍高速に動作し出力トークン料金が発生しない。

OpenAIは2026年10月22日(現地時間)、構造化された判定やルーティング処理に特化したAPIエンドポイントDecisions API(POST /v1/decisions)の一般提供(GA)を開始した。長文を生成させてから正規表現やJSONスキーマで解析する従来の手法を改め、入力データに対する明確な選択結果や数値を構造化された確率値として直接取得できる。

チャット向けAPIとの違いと利用料金

従来のResponses APIが対話やコード記述のための文章生成向けであるのに対し、Decisions APIはプログラムの分岐制御に必要な条件評価に特化している。

項目 通常のResponses API Decisions API
主な用途 長文・対話・コード生成 条件判定・選択肢分類・スコアリング
対応モデル GPT-4oやoシリーズなど 専用のgpt-6-lunaのみ
応答速度 通常の文章生成速度 最大10倍高速(p95レイテンシを大幅短縮)
出力料金 トークン課金 0円(構造化配列を返却)
入力料金 モデルごとに設定 入力100万トークンあたり0.10ドル(約16円)

最大の特長は出力トークン料金が一切請求されない点だ。文章を1文字ずつストリーミング出力する代わりに、内部判定を経て確定した値のみをJSON形式で返すため、発生するコストは入力100万トークンあたり0.10ドル(約16円)のみとなる。繰り返し使用する指示文にはプロンプトキャッシングによる割引も適用される。

3種類の判定形式と付帯機能

1回のリクエストにおいて、1つの入力データ(テキスト、画像URL、base64、構造化input_json)に対し、最大400個の質問(questions)をまとめて評価できる。質問形式は以下の3種類に対応する。

  • 真偽判定(predicate):指定した条件が真か偽かを評価し、0から1の間の確率値を返す。(例:商品写真に外見上の破損があるか)
  • 選択肢分類(choice):開発者が定義した選択肢の配列から最も妥当な項目を選び、各選択肢の確率と確信度を算出する。(例:問い合わせ内容に基づく担当部署の振り分け)
  • 段階評価(score):2段階から10段階であらかじめ定めた基準表(ルーブリック)に沿って入力内容を採点する。

リアルタイム音声モデルのGPT-Liveともネイティブに連動する。ユーザーとの通話中に遅延を発生させずに発言意図を分類したり、画面内のアバターの表情変化をトリガーしたりする処理をスムーズに実装できる。

活用に適した領域と制約事項

Decisions APIの強みは、応答遅延がサービス品質に直結するホットパス(Hot-path)の処理へAIによる判定ロジックを直接組み込める点にある。

自律型エージェントが次の行動に移る前に人間の承認が必要かを判断するゲート処理、大量の問い合わせチケットの初期振り分け、リアルタイムの有害コンテンツ検知などに適している。

一方で、詳細な解説文や対話形式の返答が求められる用途には構造上利用できない。出力形式自体が定型の評価スキーマに固定されているためだ。また現在は軽量モデルのgpt-6-lunaのみに対応しており、複雑な論理展開や高度なコーディング能力を要するタスクは引き続き既存の大型モデルが担う。

競合手法および既存技術との違い

高速なルーティングや分類を担ってきた既存の技術と比較すると、以下のような特徴がある。

  • 埋め込みベースのSemantic Router:オープンソースのsemantic-routerのようにベクトル類似度で意図を分類する仕組みは、外部ネットワーク通信を行わずローカルメモリー上でマイクロ秒単位で動作し、コストもほぼゼロだ。ただし単純なテキスト類似度の一致に限られ、複数条件の評価や画像認識は行えない。
  • Cohere Classifyなどの分類専用API:CohereのClassifyは少数の学習例でも安定したテキスト分類を実現するがテキスト限定である。Decisions APIは画像入力に対応し、1リクエストで最大400問を同時評価できる点で適用範囲が広い。
  • Jevなどの特化型判定モデル:文章生成を排してブール値判定やスコアリングを行う軽量モデルは先行して存在していたが、OpenAIは画像マルチモーダル機能とリアルタイム音声(GPT-Live)とのネイティブ連携を備えてエコシステムの標準化を狙っている。

2026年10月23日の為替レートに基づく

出典

出典: developers.openai.com

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