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Anthropic、7〜9月期の売上は168億ドルと報道 11月上場、時価総額最大2兆ドルが取り沙汰される

会社の公式な確認はないが、11月の上場と1.8兆〜2兆ドルの企業価値が報じられている。

Anthropicは14日、サンフランシスコの本社で上場前の投資家向け説明会を開いた。ロイターは出席した投資家の話として、7〜9月期の売上が168億ドル(約2.7兆円)で、前の四半期から45%増えたと伝えた。ブルームバーグは、早ければ11月9日の週にロードショー(上場前に企業が投資家を回って事業を説明する説明会)を始め、感謝祭(11月26日)の前に取引を始める可能性があると報じた。上場(IPO)とは、企業が初めて株式を一般の投資家に売り出すことである。

これまでに出ている数字

項目 内容 確度
7〜9月期売上 168億ドル(約2.7兆円)、4〜6月期比45%増。1〜3月期は47億ドル(約7,400億円)、4〜6月期は116億ドル(約1.8兆円) ロイターが説明会に出席した投資家1人の話として伝えた。会社は公表していない
上場時期 ロードショーは11月9日の週から、取引開始は11月26日より前の可能性。ロイターは11月の米中間選挙のあとになる可能性も伝えた ブルームバーグの報道(10月1日)。会社の確認はなく、変わる可能性がある
企業価値 1.8兆〜2兆ドル(約285兆〜317兆円) 市場参加者の評価と、話し合われている数字。会社が決めた目標ではない
直近の非上場での調達 5月28日に650億ドル(約10兆円)を調達、企業価値は9,650億ドル(約153兆円)。5月初めの年換算売上は470億ドル(約7.4兆円)を超えた Anthropicの公式発表

年換算売上(ランレート)とは、直近1〜2か月の売上を1年分に引き伸ばして計算した値である。四半期の売上とは別の数字なので、そのまま比べてはいけない。

前年と比べると

項目 2025年(前年) 2026年
売上 約46億ドル(約7,300億円)、前の年の約12倍 1〜3月期47億ドル(約7,400億円)、4〜6月期116億ドル(約1.8兆円)、7〜9月期168億ドル(約2.7兆円)。9か月の合計は約330億ドル(約5.2兆円)で、今年の9か月が前年1年分の約7倍
営業損失 80.6億ドル(約1.3兆円)。2024年の29.8億ドル(約4,700億円)から増えた まだ分かっている数字はない。7〜9月期に「調整後」で営業黒字を出したという主張はあるが、会計基準の数字とは別である
純損失 約420億ドル(約6.6兆円)。うち約340億ドル(約5.4兆円)は現金が出ていかない会計上の費用 まだ分かっている数字はない
顧客の集中 上位2社が売上の約24% まだ分かっている数字はない
今後の契約 10年間でコンピューティング基盤に最低5,180億ドル(約82兆円)。約80%は解約できないか、使用の有無にかかわらず支払う必要がある
  • 損失の数字は分けて見る必要がある。 純損失の420億ドルは大きいが、約340億ドルは金融商品の評価変動のような会計処理で、営業損失は80.6億ドルである。
  • 成長はきわめて速い。 ただし、前年の数字は報道で引用された非公開の書類の内容で原文を確認できず、今年の四半期売上は投資家1人の伝聞である。同じ基準の数字とは言い切れない。
  • 企業価値を何で割るかで見え方が変わる。 7〜9月期の売上を1年分に引き伸ばすと約670億ドル(約11兆円)になる。1.8兆〜2兆ドルはその約27〜30倍で、5月の非上場での調達(9,650億ドル、年換算売上470億ドル)は約20倍だった(本記事の計算)。銀行は2028年の予想売上で割って説明しているという報道もあり、同じ企業価値でも基準によって読み方が変わる。

これらの数字が上場に有利かどうかは市場が判断することで、本記事は判断しない。

OpenAI(GPT)と比べると

GPTを作るOpenAIは、Anthropicにとって最大の競合である。下の数字は基準も時点も違うため一列には並べられず、OpenAI側は情報源によって値が食い違っている。

項目 Anthropic OpenAI
年換算売上 5月初めに470億ドル(約7.4兆円)超(会社発表)。7月末に650億ドル(約10兆円)とする報道もある(投資家向けの情報として) 500億ドル(約7.9兆円)に「近づいている」(フィナンシャル・タイムズ、会社が投資家に伝えたとされる)。9月29日にAxiosは約700億ドル(約11兆円)と報じた。TechCrunchは両者が食い違うと指摘した
2025年の売上 約46億ドル(約7,300億円) 約131億ドル(約2.1兆円)(CNBC、非公開資料に基づく)
直近の非上場での企業価値 9,650億ドル(約153兆円)(5月) 8,520億ドル(約135兆円)(3月、1,220億ドル(約19兆円)を調達)
上場 11月を目指すと報道 2027年に傾いていると報道。公式な日程はない
  • 年換算売上ではAnthropicが同程度か上回っている。 OpenAIの500億〜700億ドルとAnthropicの650億ドルは重なる。OpenAIの数字が定まっていないため、「上回った」と断定はできない。
  • 2025年の売上では逆である。 前年はOpenAIが約3倍大きかった。Anthropicは今年に入ってその差を急速に縮めた。
  • 企業価値はAnthropicのほうが高く評価されている。 ただし時点が違う(Anthropicは5月、OpenAIは3月)。OpenAIは1.2兆ドル(約190兆円)以上での新たな資金調達を協議しているとの報道もある。
  • **OpenAIの今年4〜6月期の売上約67億ドル(約1.1兆円)**はAnthropicの116億ドルと比べられるが、OpenAI側はウォール・ストリート・ジャーナルを引用した二次的なまとめサイト1か所でしか確認できなかった。

ニューヨーク・タイムズを引用した報道によると、OpenAIは2027年の上場に傾いている。アルトマンCEOが1兆ドル(約158兆円)の企業価値を手放したくないとされる。ただしOpenAIは公式な日程を示していない。

確認できなかった点

  • 「1.8兆〜2兆ドルを目標に」:会社が決めた目標ではなく、投資家の評価と話し合われている数字である。Anthropicは公式な目標を示していない。
  • 評価額を1つの数字で示すこと:報道は1.8兆〜2兆ドルの幅で伝えている。「約2兆ドル」のように1つの数字にすると、実際より確定的に見える。
  • 「7〜9月期の決算を公表」:開示書類や公式発表ではなく、非公開の説明会で出た数字を1人の投資家が伝えたものである。確定した数字とは言えない。
  • 「CNBCなど主要メディアが報道」:確認できたのはブルームバーグとロイターの報道である。CNBCの記事は見つからなかった。
  • 「OpenAIが2027年に延期した」:2027年に傾いているという報道で、公式な決定ではない。

開発者に起こりうる変化

以下は報道に基づく推測とアドバイスであり、投資判断を助ける文章ではない。

  • APIの料金や利用規約がすぐに変わるという根拠はない。 上場は会社の株式に関することで、製品の価格や利用条件の変更とは別である。
  • 開示を通じて事業の規模を数字で見られるようになる。 上場すると、四半期の業績やリスク要因、顧客の集中度などが決まった形式で公開される。どのAI企業を長く使うかを判断する材料になる。
  • 公式の窓口で確認する。 上場準備の期間は、会社の発表が慎重になることがある。料金、モデルの提供終了、規約の変更は、噂ではなく公式のお知らせで確かめたい。
  • 1社に縛られないようにしておく。 どの会社でも同じである。モデルの呼び出し部分を1か所にまとめ、自前の評価セットを用意しておけば、乗り換えやすい。

今後の注目点

公式な上場書類(S-1。米国で上場する企業が証券取引委員会(SEC)に出す登録書類)が公開される時期と記載内容、ロードショーの日程、実際の公募価格と企業価値、そしてOpenAIの上場書類の進み具合である。

利害関係の開示:本記事はClaudeを開発したAnthropicを扱っており、執筆にもClaudeを補助ツールとして使った。数字を中心にまとめた。

円換算は10月15日の為替レート(1ドル≒158円)によるおおよその値である。

出典

出典: investinglive.com

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